ココナラのイラスト依頼でラフを持ち逃げされる理由や対処法、予防策を解説

ココナラ

ココナラでクリエイティブな活動をしていると、イラストの依頼を受けてラフを納品した後、クライアントからの連絡が途絶え、持ち逃げされてしまうというトラブルに遭遇する可能性があります。

そのような被害に遭われた方は、怒りや不安を感じて、今後の仕事へのモチベーションを失ってしまう問題につながりかねません。

このブログ記事では、ココナラでラフの持ち逃げがなぜ起きるのかという理由から、実際に被害に遭ってしまった時の具体的な対応手順、そして二度とトラブルに巻き込まれないための必要な予防策までを、専門的な視点からわかりやすく解説いたします。

この記事をかならずお読みいただき、ココナラでの取引を安全に進めるためのヒントとして活用していただければ嬉しく思います。

そもそもラフの持ち逃げとは?

ココナラやクラウドワークスなどのプラットフォームにおけるイラスト依頼で、「ラフの持ち逃げ」とは、クライアントがサービスを正式に購入する前にクリエイターが提示した下書きやラフデザインを、対価を支払わずに不正に利用する行為を指します。

具体的には、報酬が未払いの状態でラフを個人利用されたり、そのラフを利用して他のイラストレーターに安価で依頼する際のサンプルとして悪用されることを意味します。

クリエイターにとっては、作業時間や技術を提供したのにもかかわらず、その対価を得られないという深刻な被害をもたらす問題です。

このトラブルは、クリエイティブな仕事を続ける上でさまざまな可能性のあるリスクの一つであるため、正しい知識と対応策を身につけておく必要があります。

ココナラのイラスト依頼でラフの持ち逃げが起きる理由

ココナラでの取引において、クリエイターがラフを納品した後に持ち逃げが発生する背景には、ユーザー側のさまざまな事情や意図が隠されています。

このセクションでは、依頼が途中で頓挫したり、クライアントが連絡を絶ったりする主な問題点と、規約におけるラフの権利関係について詳しく掘り下げていきます。

① 依頼者が音信不通になる具体的なパターン

ココナラの依頼において、クライアントがメッセージでの連絡を突然絶つパターンは複数考えられます。

たとえば、依頼内容を途中で変更したくなり、クリエイターに伝えるのがめんどくさいと感じて放置してしまう可能性があります。

あるいは、複数のクリエイターに同時にラフを依頼し、一番気に入った下書きだけを利用して、ココナラ以外の連絡手段で納品を要求するためにアカウントを放置する悪質なユーザーも残念ながら存在します。

このような問題が発生すると、クリエイター側は作業の進捗状況がわからなくなり、取引全体が停滞してしまう可能性が高くなります。

② ラフを持ち逃げする依頼者の心理と目的

ラフの持ち逃げを行うクライアントの主な目的は、作業の対価を支払わずに下書きを無断で利用することにあります。

彼らは、ラフの段階で完成イメージに近い下書きを受け取れば、それをそのまま別の場所で使用したり、納品されたものとして利用したりする可能性を考えています。

特に、ココナラではラフの確認段階で仮払いが行われている場合が多く、クライアントは正式な納品に至る前のキャンセルを試みることで、支払いを回避しようとする問題も起こりえます。

このようなユーザーは、クリエイターの労力や時間を奪うだけでなく、信頼に基づいたココナラの取引システム自体を損なう被害をもたらします。

③ 規約上、ラフの著作権と権利は誰にあるのか

ココナラの規約において、イラストなどの下書きであるラフの著作権は、原則として作成者であるクリエイターに帰属します。

依頼がキャンセルになったり、正式に納品が完了していない案件については、ラフをクライアントが無断で使用することは著作権侵害にあたる問題です。

ココナラの回答によれば、納品が完了しクライアント側が評価を完了して取引が正式に終了するまでは、著作権はクリエイターの手元にあると考えるのが一般的です。

クライアントがラフを無断利用している可能性がある場合は、その証拠を固めてココナラ事務局へ報告する必要があります。

ラフを持ち逃げされた!被害にあった時の対処手順

もしココナラの仕事でラフを持ち逃げされたと感じたら、冷静かつ迅速に対応することが被害を最小限に抑える鍵となります。

このセクションでは、ココナラのトラブル解決に特化した具体的な連絡や報告の手順、そして法的な問題への回答となる著作権侵害の判断基準について解説していきます。

① まずはココナラのメッセージから連絡を入れる

クライアントとの連絡が途絶えたと感じたら、まずはココナラのメッセージ機能を使って改めて連絡を入れてみてください。

たとえば、ラフに対するフィードバックや、次の作業段階に進むための質問を投げかけるなど、丁寧な対応を心がけることが大切です。

このメッセージが、クライアントのアカウントが本当に放置されているのか、あるいは単に多忙で連絡が遅れているだけなのかを判断する必要な証拠となります。

取引を継続する意思がある場合は、期限を設けて回答を求める必要があり、その連絡記録は後のトラブル報告時に非常に重要になります。

② ココナラ事務局へのトラブル報告と相談方法

メッセージでの連絡を試みても相手からの回答がない場合や、ラフの持ち逃げの可能性が高いと判断した場合は、ココナラ事務局にトラブルを報告してください。

ココナラのサイト内にある専用の質問フォームやサポートページから、案件の詳細とトラブルの経緯を具体的に記載して報告を送信する必要があります。

その際、ラフを納品した日時や、途絶えたメッセージの記録など、すべての証拠を添付することが、事務局が迅速に対応するための必要な情報となります。

事務局は、クライアントのアカウント状況を確認し、取引をキャンセルに導くなどの対応を検討してくれます。

③ 著作権侵害にあたるかどうかの判断基準とは

ラフが持ち逃げされ、他の場所で無断使用されている可能性がある場合は、著作権侵害という法的な問題に発展します。

著作権侵害が成立するかどうかは、納品したラフが「創作性のある表現」を有しているか、そして相手の作品とラフとの間に「依拠性」と「類似性」があるかどうかが主な判断基準となります。

たとえば、ラフが単なる図形やアイデアのメモではなく、独自のデッサンや構図が含まれていれば著作権保護の可能性が高まります。

被害が重大な場合は、ココナラ事務局の回答を待つだけでなく、弁護士などの専門家に相談することも必要となります。

ココナラで安全に取引するための具体的な予防策

ココナラでの仕事を継続的に行っていく上で、ラフの持ち逃げのようなトラブルはかならず避けるべき問題です。

ここでは、めんどくさい客との取引を回避し、クリエイターとしての被害を未然に防ぐための、具体的な対応策と納品フローの工夫についてご紹介します。

① ラフの納品方法や制作フローを明確にする

依頼を受ける前に、サービスページやメッセージで、ラフの納品は何回まで可能か、納品形式はどうかといった制作フローを明確に提示する必要があります。

たとえば、「ラフは透かしを入れたJPEG形式で納品し、修正は2回まで」といったルールをクライアントと共有することで、認識のズレによるトラブルを大幅に減らすことができます。

この対応は、クライアントに対するプロフェッショナルな対応を示すだけでなく、作業の範囲を明確にし、めんどくさい客からの無理な要求を防ぐ効果もあります。

②正式に依頼されるまではラフを作成しない

ココナラではメッセージ機能を使うことで、正式に依頼する前にラフを作成して提示することができますが、ラフを作成するにも時間と手間がかかるため、正式に依頼されるまでは出品ページにサンプルを掲載する程度にするといいでしょう。

サンプルのイラストの雰囲気を気に入ってもらってから正式な依頼をしてもらい、それからラフを作成することで、費用を未払いでラフを持ち逃げされる心配がなくなります。

③ 事前のヒアリングでめんどくさい客を見分ける

ココナラで案件を始める前のメッセージ段階での質問と回答のやり取りは、クライアントの質を判断する必要なプロセスです。

たとえば、依頼内容が曖昧で具体的な回答を避けるユーザーや、相場よりも遥かに安い価格を提示してくる相手は、取引中に問題を起こす可能性があります。

ヒアリング時に、連絡頻度や納品期限について質問を投げかけ、相手の対応が迅速かつ丁寧であるか、こちらの提示したルールを理解しているかを確認することが大切です。

めんどくさい客との取引はキャンセルする可能性も視野に入れ、自分の仕事を守るための判断力を養ってください。

▶︎ココナラのめんどくさい客の詳しい見分け方はこちら!

④ ラフの時点での透かし(ウォーターマーク)の入れる

ラフの持ち逃げによる被害を確実に防ぐ最も有効な対応策の一つが、透かし(ウォーターマーク)を入れることです。

透かしは、下書きのイラスト全体にかかるように、目立つ位置にクリエイター名やアカウントIDなどを薄く配置する必要があります。

たとえクライアントがラフを無断で利用しようとしても、透かしがあることでその利用が難しくなり、著作権侵害の証拠としても機能します。

正式な納品前に透かしのない画像を送ることは避けるべき問題であり、この作業を徹底することがトラブル回避の鉄則です。

⑤ 評価や実績の少ないユーザーとの取引を慎重に行う

ココナラのユーザーの中には、アカウントを作成したばかりで評価や実績が一つもないクライアントもいます。

そのような相手との取引は、ラフの持ち逃げや途中のキャンセルなど、さまざまなトラブルの可能性を秘めているため、慎重な対応が必要です。

たとえば、依頼を受ける前にメッセージで十分にコミュニケーションを取り、相手の信頼性や仕事への本気度を確認する必要があります。

もし不安を感じた場合は、高額な案件の取引は避けるか、ラフの作業に入る前に全額仮払いを依頼するなどの予防策を講じることが大切です。

取引停止・キャンセルになった場合の返金ルール

ココナラの取引がラフ納品後にキャンセルとなった場合、クライアントが支払った代金がどうなるのかは、クリエイターにとって重要な問題です。

キャンセルに伴う返金ルールを正しく理解し、クライアントからの質問にも明確に回答できる必要があります。

① 依頼者都合のキャンセルの際の返金は可能か

クライアント都合によるキャンセルであっても、仮払い段階であれば返金は可能ですが、ラフの作業が行われていた場合、クリエイターに一部報酬が支払われる可能性もあります。

ココナラ事務局は、取引の進捗状況やトラブルの経緯を総合的に判断し、作業量に応じた回答を提示します。

ラフの持ち逃げのように依頼者に問題がある案件では、事務局に報告することで、クリエイター側の作業が無駄にならないように対応してくれる可能性があります。

キャンセル申請があった際には、感情的にならず事務局の回答に従い、適切に対応することが求められます。

② ココナラでのキャンセル成立と返金が実行されるタイミング

ココナラの取引がキャンセルとして正式に成立するのは、クライアントとクリエイター双方が合意したか、または事務局が介入し判断を下した時点です。

返金は、キャンセル成立後にココナラ側で手続きが行われ、クライアントの支払い方法によって実行されるタイミングが異なります。

たとえば、クレジットカード決済の場合は数週間かかる可能性もありますので、クライアントからの返金に関する質問には、ココナラ公式サイトの回答を元に説明する必要があります。

トラブル発生時は、まず冷静に事務局と連絡を取り、指示に従って必要な対応を進めてください。

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ココナラのイラスト依頼のラフ持ちにげに関するよくある質問

このセクションでは、ココナラの仕事でラフの持ち逃げやトラブルに直面した際に、ユーザー様から寄せられるさまざまな質問に回答していきます。

Q
ココナラでラフの持ち逃げが発覚した場合、警察に相談できますか?
A

ラフの持ち逃げは、著作権侵害や詐欺罪に該当する可能性があります。

しかし、ココナラ内のトラブルはまず事務局に報告し対応を求めることが必要です。

警察への相談は、被害の程度が甚大で、事務局の対応で問題が解決しない場合の最終手段となります。

Q
キャンセルになった場合、支払ったお金はすべて返金されますか?
A

キャンセル時の返金額は、取引の進捗状況やキャンセル理由により異なります。

クリエイターが作業を全く行っていない場合は全額返金の可能性が高いです。

しかし、ラフ作業をすで終えている場合は、作業分の対価がクリエイターに支払われる可能性もあり、最終的な回答はココナラ事務局が行います。

Q
ラフを透かしなしで送ってしまったらどうなりますか?
A

透かしなしでラフを送ってしまうと、クライアントによる持ち逃げの被害リスクが非常に高まります。

もし無断利用が発覚した場合は、著作権侵害の問題として事務局に報告する必要があります。

今後の取引では、かならず透かしを入れるという予防策を徹底してください。

Q
ココナラ運営事務局へはどのようにトラブルを報告すれば良いですか?
A

ココナラ公式サイトの「お問い合わせ」や「ヘルプ」ページから、トラブル報告専用のフォームを利用する必要があります。

報告の際は、取引番号、問題の経緯、相手とのメッセージ履歴など、詳細な情報を正確に記載する必要があります。

この対応が迅速な問題解決につながります。

Q
「めんどくさい客」からの依頼をキャンセルしても問題ありませんか?
A

めんどくさい客との取引は、クリエイターの精神的負担と作業効率を大幅に下げる問題となります。

正式な契約前であれば、依頼を辞退することは可能です。

契約後であっても、規約違反や非常に困難な状況がある場合は、事務局に相談してキャンセル対応を進めることができます。

まとめ|イラスト依頼時にラフの持ち逃げされないように気をつけましょう!

ココナライラスト依頼のラフ持ち逃げに関するトラブルは、クリエイター様にとって精神的にも金銭的にも大きな負担となります。

この問題は、事前に対策を講じることと、万が一発生してしまった場合にココナラの公式ルールに従って冷静に対応することで、被害を最小限に抑えることができます。

たとえば、ラフの段階で透かしを入れたり、トークルームで細かく進捗を確認したりと、プロとしてできる安全対策はたくさんあるのです。

また、取引がキャンセルとなり返金が必要になった場合も、ココナラの規約に基づいた手続きがしっかり用意されていますので、安心してください。

この記事で解説した予防策と対処手順をかならず確認し、ココナラでの活動を安心・安全に進めるための参考としていただければ嬉しいです。

このブログの内容は、ココナラ以外のクラウドソーシングサービス、たとえばクラウドワークスなどの案件にも役立つ可能性がありますので、仕事の参考にしてください。

参照:ココナラ「トークルームのキャンセル方法(購入者向け)